いかに”細く・丈夫な”ケーブルを作り上げるかが伸光精線の仕事です
情報機器や医療機器がますます小型化するなかで、それらの小型機器に内蔵される「ケーブル」もより小型・精密化することが求められています。
もともとケーブル(電線)というのは銅などの金属を伸ばしてでできているので、細いケーブルになるほど切れやすくなります。そこで、「マイクロケーブル」と呼ぶ、ケーブルの直径が0.1mm以下の細い線を作るためには、数10μm(マイクロ)単位の極細銅線を複数本撚り合わせて1本の導体として作り上げます。
たとえば、直径0.02mm(20ミクロン)の銅線を3本撚り合わせると、「AWG(American wire gauge)*48」という導体の外径が0.43mmの1つの「撚線」ができます。その撚線に「絶縁体」を被せると、髪の毛の半分程度の細い「絶縁電線」になります。それに「シールド」を被せると、髪の毛とほぼ同程度の太さの「マイクロコアキシャル(同軸)ケーブル」ができ上がるのです。
当社では、現在「AWG54」の絶縁電線まで製作可能です。ただし、顕微鏡を使わないと端末加工が出来ません。従来の端末加工の手法で製作できるのは「AWG36」までと考えて下さい。
現在、当社で製作したマイクロケーブルが利用されている分野は「医療機器」関係が多く、「カテーテル用ケーブル」や「内視鏡用ケーブル」、「超音波診断装置用ケーブル」などの研究開発に使われています。
マイクロケーブルの作り方
左図の1.から4.までのすべての工程を経て、更にそれを100本程度撚りあわせて出来上がったケーブルの断面図はこの写真のようになります。
断面図をさらに拡大したのが下の写真です。
ちなみにこのケーブルは直径約2.5mmになります。
AWGとは
American Wire Gaugeの頭文字をとったもの。ケーブルの導体の太さを表す単位で、AWGナンバーが大きくなるほど導体の直径は小さくなる。直径0.46インチを36と定め、その間を等比級数的に分割してAWGナンバーを割り振っている。撚線導体の場合は、撚線の断面積のサイズを使う。
機器の小型化に伴い、ケーブルもより小型・精密化
(例)マイクロコアキシャル(同軸)ケーブル
中心導体:AWG40(直径0.03mmの導線を7本撚り)
最小 AWG48(直径0.013mmの導線を7本撚り)まで可能